薩摩おごじょとは?~後編~

文化・芸能
薩摩おごじょ

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明治15年に蒲生かもう町の婦人たちが話し合い、
女性としての心得を100項目定めた「婦人心得百ヶ條」

66.人の前で爪をとらぬこと

67.おかしい歌などうたはぬこと

68.人の前でシラミをとらぬこと

69.手を洗った後で前掛でぬぐはぬこと

70.便所の水は常に入れかえること

71.道ばたのぞうり・なわぎれは両わきにのけて通ること

72.葬式の時は我物食いで加勢に行くこと(※手弁当のこと)

73.会などに出て子供を泣かせ人に迷惑をかけぬこと

74.年忌祝事の配り物をかぎること

75.会などで決まったことを後で何のかの言はぬこと

76.寄りごとのある時は下駄などを間違はぬこと

77.若い女は成るべく他家にねとまりせぬこと

78.通りかかりにでも子供のいたづらはとめること

79.履物を引きずってあゆまぬこと

80.手元に糸針をちらさぬこと(※散らかさないこと)

81.仕事のくりまわしをよくすること

82.明日の仕事は前晩に語合っておくこと

83.飲み水は何時でも清潔にすること

84.共同の仕事には自分の利害をいはぬこと

85.共同で決めた事を破らぬこと

86.着物の日光消毒をすること

87.会などで話最中みだりに席を立たぬこと

88.吟味する時外の話をせぬこと

89.食事道具を洗ったら日にほすこと

90.子供の道具の始末は子供に言い付けてさせること

91.子供には自分でできることは自分でさせること

92.ぶつぶつ言はぬこと

93.廃物利用に気をつくること

94.子供を学校に出す時泣かせて内を出さぬこと

95.夫のきげんをとる稽古をすること

96.身分不相応のなりをせぬこと

97.きちんとした場所には前掛をあてていかぬこと

98.人の前でのみをとらぬこと

99.となりの安眠を妨げぬこと

100.自分の思っていることは人中で話の出来る稽古をすること

「75.会などで決まったことを後で何のかの言はぬこと」
これは、鹿児島で「議を言うな」といいます。
議論はしっかりして、決定したことに対しては一致団結して取り組むことを大切にします。

「薩摩おごじょ」一言で例えるのは難しいですが、
常日頃から周囲への気配りを忘れないようにする女性かなと思います。

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<参考>
蒲生町婦人会『おごじょ百年』