鹿児島の女性のことを「薩摩おごじょ」といいますが、
どういう女性像をイメージされますでしょうか?
よく言われるのが…
3歩下がってついていく女性
実際はどうでしょう?
薩摩おごじょのあるべき姿を考える時、参考になるものとして
「婦人心得百ケ條」というものがあります。
明治15年に蒲生町の婦人たちが話し合い、
女性としての心得を100項目定めたものです。
100項目、前編・中編・後編に分けてご紹介します。
1.人ごとを言はぬこと
2.あらい言葉つかいをせぬこと
3.腹を立てぬ稽古をすること
4.子供の前では言葉をつつしむこと
5.出ばな入りばなのきげんをよくすること(※出ばな入ばな→家の出入り)
6.途中で長話をせぬこと
7.毎日先祖佛前に礼拝すること
8.物を食う時あたまをかからぬこと
9.一家の道具の片付を怠らぬこと
10.子供の頭着物には常に手入れをしてやること
11.マッチの置場所をただし、子供の届かぬようにすること
12.毎朝掃除を怠らぬこと
13.毎日の料理は滋養を考えて変化あらせること
14.台所の清潔は常に怠らぬこと
15.朝夕火の用心をすること
16.お客の見えた時内をはわかぬこと(※掃除をしないこと)
17.お客のはき物を向け直して置くこと
18.お客のある時子供をしからぬこと
19.お客のある時子供を泣かせぬこと
20.お客の前に子供をきょろつかせぬこと(※ウロウロさせないこと)
21.お客のある時は不愉快を思はせぬようにすること
22.お客を愉快に思はせて立たせること
23.飯を炊く時猪口米に取ってためること(※猪の口くらいお米の量を減らして節約すること)
24.人の前では横にならぬこと
25.人目にさわる場所に見苦しいほし物をせぬこと(※洗濯物を干さぬこと)
26.忙しい忙しいと言うことを口癖に言はぬこと
27.常に老人を親切にいたはること
28.先祖の命日は精進をすること
29.外出する時は必ず行先を告ぐること
30.夜外出する時は提灯をとぼすこと
「3.腹をたてぬ稽古をすること」
腹がたつことがたくさんあったということですね(笑)
3歩下がってついていくというより、下がったふりをして手綱を握ることが大切なのでしょう。
薩摩おごじょとは?~中編~はこちら
薩摩おごじょとは?~後編~はこちら
<参考>
蒲生町婦人会『おごじょ百年』